寿司ロボット最前線。ふわっとほぐれるシャリが1分間で80カンも

2026年2月17日(火)〜2月20日(金)に東京ビッグサイトで開催された国際ホテルレストランショーで、寿司ロボットのパイオニアである鈴茂器工株式会社の展示を視察してきました。

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シャリに宿る技術と情熱

会場には、1時間に最大4,800カンのシャリ玉を成形できるシャリ玉ロボットや、太巻きやカリフォルニアロールなどを自動で仕上げる巻き寿司ロボットが展示されていました。

いずれも、短時間で大量かつ安定した品質の商品を生み出せる設計です。
現場の生産性を大きく高める設備が揃っていました。

なかでも印象的だったのがシャリ玉ロボットです。機械でありながら、ふわっと空気を含ませた成形を実現。米粒をつぶさず、口の中でやわらかくほどける食感に仕上げていました。

さらに、シャリの硬さは「柔・標準・硬」の3段階で調整可能。
細部まで配慮された設計から、シャリに対する並々ならぬこだわりが伝わってきました。

酢飯専用の業務用炊飯器も紹介されていました。

炊飯時に専用の酢を加えることで、炊き上がった瞬間に酢飯が完成するのです。
通常は炊きあがったご飯に合わせ酢を混ぜる工程が必要ですが、この炊飯器と専用酢を使えば、その工程を省き、安定した酢飯を簡単に作ることができます。

こだわりは専用酢にもあります。
独自の配合によって、釜底にご飯が焦げつきにくい設計になっているとのことです。
添加物に頼るのではなく、米酢・塩・砂糖の配合バランスを徹底的に追求。
その理想の味にたどり着くまでに3年を要したといいます。

誰が炊いても同じ品質を再現できるこの仕組みは、寿司の標準化を支える重要な技術だと感じました。

巻き寿司も自動で、美しく

ロボット化は握りだけにとどまりません。

巻き寿司ロボットでは、定番の海苔巻きはもちろん、カリフォルニアロールのように外側を米で包むタイプまで自動で成形できます。
ホテルのビュッフェや増加するインバウンド需要を見据えた提案です。

さらに、カット工程も自動化されています。
専用の油を使用することで、ご飯が刃に付着しにくい構造を採用。
まとめて一度に、きれいに切り分ける様子は印象的でした。

盛り付けまでロボット化

シャリ玉をパックに自動で並べる機能も備えています。

タブレットでシャリ玉の配置を設定でき、シャリで文字や模様を描くことも可能です。
実際に、午年にちなんで、「午」の文字でシャリを並べた例もあるそうです。

お持ち帰り用などに数十貫の寿司を等間隔で並べるのは、技術と手間が必要です。
しかし、このロボットがあれば短時間で整然と仕上げることができます。
人手不足や多忙な現場にとって、心強い存在といえそうです。

寿司の世界展開を支えた存在

寿司が世界へ広がるためには、大量かつ安定した品質で提供できる仕組みが欠かせませんでした。
その土台を築いたのが、寿司ロボットです。

鈴茂器工株式会社は、そのパイオニア企業です。

創業者の鈴木喜作氏が開発した寿司ロボットは、寿司産業の拡大を技術面から支えてきました。
同社はもともと菓子製造機器メーカーでしたが、米の消費量が減少していく日本の状況に心を痛め、「自社の技術を米の消費拡大に活かせないか」と考えたことが開発の出発点でした。

こうして誕生したシャリ玉ロボットの初号機は、1981年に登場。
1時間あたり1,200カンのシャリ玉を生み出しました。

それから40年以上。
現在では世界90カ国以上の厨房やカウンターで、美味しいシャリ玉を生み出し続けています。
寿司の大衆化と世界展開を支える、なくてはならない存在といえるでしょう。

食品機器の進化と情熱

今回の展示会では、寿司ロボットだけでなく、ご飯の自動盛り付け機や解凍機など、食品機器の進化も数多く見ることができました。

食の裏側では、着実に技術革新が進んでいます。
その積み重ねが、私たちが当たり前に楽しんでいる一貫の寿司を支えているのです。

寿司ロボットを見る機会は多くありませんが、もし店舗の裏側で見かけた際には、寿司を支える技術の積み重ねについても思いを巡らせてみてください。

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この記事を書いた人

さかなのNEWS編集部。魚、漁業、水産業のことを「広く」「深く」「ゆるく」伝えています。

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