魚を触るとヌルヌルしているのはなぜ?魚の粘液の秘密と3つの役割

魚を手で触れたとき、「ヌルヌルしている」と感じたことはありませんか?
実は、このヌルヌルにはしっかりとした理由があります。それは、魚の体を覆う粘液の存在です。魚はこの粘膜を巧みに利用して、水中での生活をスムーズにしているのです。

目次

粘液の3つの役割

魚の体表にある粘液は、単なるぬめりではなく、命を守る重要な機能を果たしています。その役割は大きく3つ。

1. 体の水分量を守る

魚の体は海水や淡水の中で生きており、周囲の水と常に接触しています。粘膜は体の外部と内部を隔てるバリアとなり、浸透圧によって体から余分な水分が失われることを防ぎます。もし粘液がなければ、水中で魚の体内の水分は急速に奪われてしまうのです。

2. 水の抵抗を減らす

泳ぐときに水の抵抗を受けると、エネルギーを多く消費してしまいます。粘液は表面を滑らかにし、抵抗を減らすことで、魚がスイスイと泳げるようにしているのです。

3. 衝撃から身を守る

魚は岩や障害物にぶつかることもありますが、そのとき粘液がクッションのような役割を果たし、ダメージを和らげます。まさに天然のプロテクターです。

粘液は水中生活の必需品

魚の粘液は、海や川という環境で生き抜くための工夫のひとつ。水分保持・水の抵抗軽減・衝撃吸収という3つの機能を備え、魚の命を守っています。
このヌルヌル、実は「水中生活に特化した進化の証」なのです。

粘液によって体内の水分を守る仕組みは、人間の肌の保湿にも似ています。
乾燥すると水分が奪われるのは、魚も同じ。

海水魚は海の塩分で水分を奪われやすいため、特にこの粘液が重要な役割を果たしているんですね。

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この記事を書いた人

さかなのNEWS編集部。魚、漁業、水産業のことを「広く」「深く」「ゆるく」伝えています。

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