「かつおが好きな町」と聞いて、なんとなく思い浮かぶ場所はあるかもしれません。
ですが、それがついにデータで証明されました。
高知県中土佐町・久礼地区(通称・土佐久礼)が、全国約4万5千人を対象にした調査で「かつお愛日本一」に輝きました。調査を行ったのは、地域ブランディングを目的とした「シン・鰹乃國プロジェクト」です。
結果は圧倒的でした。
「かつおを食べるのが好き」と答えた人は81.3%。これは全国平均の約1.4倍にあたります。
かつおへの愛着度(「かつお」を食べるのが「とても好き+好き」と答えた割合)、かつおを食べる頻度の高い割合において、土佐久礼が調査地域のなかで全国トップとなり、「かつお愛日本一の町」であることが明らかになりました。
データで見る「日常食」としてのかつお

土佐久礼におけるかつおは、ごちそうというよりも、日常的に食べるものです。
「毎日」あるいは「週1回以上」かつおを食べる人は39.9%。
全国平均の約7倍という、驚くべき頻度です。これは、かつおが特別な日に食べるものではなく、日々の食卓に自然と並ぶ存在であることを示しています。

食べ方にも特徴があります。人気は「たたき(85.0%)」と「刺身(66.1%)」が圧倒的でした。
一方で「かつお節」は全国最下位という結果だったそうです。

加工品としてではなく、新鮮なかつおを生で味わう文化が根付いているようです。
なぜ土佐久礼なのか?「釣る・売る・食べる」のプロが集まる町
この結果について、さかなのNEWS編集長のながさき一生はこうコメントしています。
土佐久礼の凄みは、400年以上続く一本釣りの「コア産地」でありながら、優れた目利きで販売される「コア流通地」でもあり、住民の8割以上がかつおを愛する「コア消費地」でもあります。この釣る・売る・食べるプロが集中しているという地域は、全国的にも極めて稀有でしょう。
また、食としての魚の評価指標は、これまで「水揚げ量」や「消費量」「支出金額」といった統計上の数字で語られがちでした。これに対し、今回、「愛着度」という指標で日本一を掲げたことは、画期的な試みといえます。
食べるだけじゃない。町中にあふれる「かつお文化」
土佐久礼でのかつお文化は、食卓だけにとどまりません。
年間約15万人が訪れる「久礼大正町市場」には、新鮮なかつおをその場で味わうことができ、観光客にとっても「食文化を体験できる場所」として親しまれています。
さらに、藁焼き体験や、5月に開催される「かつお祭」、かつおの絵馬が奉納されている「久礼八幡宮」など、町のあちこちにかつお文化が息づいています。


かつおの食べ方にも多様な楽しみ方があります。
かつおに合う酒や、タタキ専用の塩、食後のコーヒーとのペアリングまで、かつおの楽しみ方をここまで追求しているまちはそうそうありません。
また、小中学校での食育や、かつおのあらを堆肥として活用する取り組みなど、次世代や環境に向けた実践も行われています。
町長が振るう「かつお外交」

中土佐町・池田洋光町長は今回の調査結果を受けて「『かつお愛日本一』という結果に、わが意を得たり、という思いです。」とコメント。
池田町長もかつおをこよなく愛す一人であり、町長自ら包丁を握り、全国各地でかつおを振る舞う“かつお伝道師”として活動しています。
本場のかつお文化に触れてみたいと思った方は、一度土佐久礼を訪れてみてはいかがでしょうか。


