コロナ禍の行楽シーズンは、密にならないレジャー「釣り」が人気です。感染対策やマナーを守りつつの釣りは、全国様々なところで楽しめます。

8月の上旬に、関東の釣りスポットの1つ、神奈川県三浦市三崎に伺ってきましたが例にもれず釣りを楽しむ人々がチラホラ。

ところで、三崎といえば「まぐろ」が有名です。

三崎を訪ねて真っ先に驚くのは、その客層。シニア層から家族連れ、さらには若者まで幅広い人が多いのです。この様々な客層に人気のまぐろ料理屋が「くろば亭」です。

くろば亭

くろば亭は、三崎の地元ならではのまぐろ料理を振る舞ってくれる料理屋。まぐろというと一般的には「赤身」「中とろ」「大とろ」を食べますが、地元では違うのだそう。

お店を切り盛りする山田 拓哉(やまだ たくや)さんが、「三崎の家庭料理といえば、まぐろの胃袋」と話します。本場の三崎では胃袋のような内臓のほか、脳天やノド、ホホ、アゴに至るまで様々な部位を食します。

この様々な部位、全部食べてみたいなと思っていたところ、それが叶う1皿「三崎鮪一匹盛り」を勧められました。

三崎鮪一匹盛

まず、運ばれてきて驚いたのは、その盛り付け。なんと11種類もの部位が盛り付けられているではありませんか。
まぐろってこんなにも楽しめる部位があったのかということが、ひと目で分かるビジュアルとなっていました。(正直、これを知らない人は人生損してる…と言っても過言ではないかもしれません。)

これを1つ1ついただくとすべて味が違い感動の嵐です。今回は、その部位を1つ1つ紹介していきます。

1.赤身

まずは、いわずと知れた「赤身」。三崎鮪一匹盛りを食すにあたっては、「まぐろってこういう味だったよな」ということを脳に思い出させるため最初に食べておきたい部位です。くろば亭の赤身は味が濃くて絶品なので、1品目から「これだけで十分満足」という気分に浸ってしまいます。

2.中とろ

続いて「中とろ」。赤身よりも脂が増して、さらにしっとりした口当たりを楽しめます。美味しいのは言うまでもなく、「三崎に来てよかったな」と思える部位です。

3.大とろ

3品目にして早くも「大とろ」。口の中でとろける大とろの味わいは、脂がありつつもしつこくなくて食べやすい。ここまですべてが絶品なのですが、くろば亭として本領発揮する部位はこれからなので驚きです。

…ということで、ここからカブトの各部位をいただいていきます。

希少なまぐろカブトの各部位

4.のど

三崎鮪一匹盛りの本当の楽しみは4品目から。その最初を飾るのは「のど」です。スタッフもかなりオススメというのどは、とろとはまた違うスッキリしつつも濃厚な味わい。この一皿を頼んでよかったという気持ちがしてきます。

5.め

5品目は「め」。といっても目玉そのものではなくその周辺の肉。焼き魚では一番美味しいといっても過言ではないところです。脂質が多いため、大とろにも優る脂としっとり感。強いていえば馬刺しのサシの部分に近い感じですが、それともまた違った味わい。脂好きな方には絶対に食べていただきたい部位です。

6.ハチ(脳天)

6品目は「ハチ」。いわゆる脳天の肉です。ハチは、赤身よりも臭みが少なくてスッキリした味わい。それでいて味がかなりしっかりしているので、本当に美味しいです。かなり通向けな部位なように思います。個人的にもこれはかなり好きでした。

7.ホホ

7品目は「ホホ」。いわゆるほっぺたの肉です。ホホは、通常加熱推奨のものも多く見ますが、くろば亭ではお刺身でいただけます。独特の歯ごたえがあり、しっとりした食感で肉感が強い味わいです。私もはじめてホホを食べた際、とても感動しましたが、食べたことがない人は絶対に食べたほうがよいです。

…さて、ここからはいよいよ三崎の家庭料理にしてソウルフードの内蔵の部位です。

8.ワタ(胃袋)

8品目は「ワタ」。いよいよ登場の三崎の家庭の味、胃袋です。くろば亭のワタは、出汁で味付けされており、噛むとうま味が広がります。食感はシャキシャキしていておつまみに最適という感じ。夏場にこれで一杯やれたら最高という味わいですが、上品さも持ち合わせていて素晴らしかったです。

9.ホシ(心臓)

9品目は「ホシ」。まぐろの心臓です。焼き肉のハツやサメの心臓のように、コリコリシャキシャキした食感なのかなと想像していたらまったく違ってびっくり。例えるならビーフジャーキーに近い肉の繊維質が楽しめる食感で、「これは、完全に肉だ」というのが感想です。まぐろって本当に面白いなー!と思わせてくれる部位でした。

10.白子

10品目は「白子」。タラの白子のように、柔らかくてドロっとしているかと思うと違い、まぐろの白子は食感がかなりしっかりしていて、プルッとしています。ただ、味わいはあの濃厚な白子。ただし、くどさはなくスッキリしています。白子が苦手という人でも食べられそうなのに、白子好きにもウケるだろうなという部位でした。

11.タマゴ

11品目は「タマゴ」。いわゆるタラコの煮付けのような感じですが、まぐろのタマゴは粒がさらに細かい感じ。つぶつぶ感がきめ細かいので絹のような舌触り。…と言ったら大げさかもしれませんが、タラコよりもさらに上品な感じのする部位でした。

…ということで、こんなにも様々な部位が楽しめるくろば亭の三崎鮪一匹盛り。まぐろを様々部位を楽しみつつ、魚を大事に扱う三崎の人々の心意気も感じていただけたらと思います。

【筆者プロフィール】
さかなのNEWS編集長・ながさき一生
漁師の家庭で18年間家業を手伝い、東京海洋大学を卒業。現在、同大学非常勤講師。元築地市場卸。食べる魚の専門家として全国を飛び回り、魚好きのゆるいコミュニティ「さかなの会」を主宰。

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