コロナでピリ付く世間では、癒やしを求める人が続出し、空前のクリオネブームとなっています。…と、そんな訳はないのですが、最近「巷の魚屋さんでクリオネが売っている」ということが話題になっています。

 それを初めて見たのが、東京都御徒町にある魚屋「吉池」。クリオネが3~5匹程入った瓶が、意外にも鮮魚売り場に並んでいました。価格も日によって違えど、記憶によると1500円~700円ほどと手頃。1匹あたりにすると数百円で、海の天使はハーゲンダッツと大体等価でした。

 このクリオネは、そもそも食品なのかというとそうではなく、あくまでも観賞用として案内されていました。(ちなみに、食べた方のお話だと、その姿に似つかわず、シンナーの味がするらしい。)そして、クリオネを購入した後は、餌をあげずとも冷蔵庫で3ヶ月~6ヶ月、長いもので1年ほど生きるらしいです。

「吉池」の中の人の話によると、クリオネは北海道(網走あたり)→豊洲市場→吉池と流通してきたらしく、さらに買った人の手で伊豆大島まで行ってしまったクリオネも確認しています。…クリオネもなかなか波乱万丈ですね。

…と、ここまでが大体今年の2月-3月の話なのですが、4月になってこのような記事を発見しました。

スーパーの鮮魚コーナーに観賞用で売られる謎の「クリオネ」 仕入れ元が明かした人気の秘密|AERAdot.
https://dot.asahi.com/dot/2021042000056.html

この記事で、あの売っていたクリオネに関する様々なことが判明する訳ですが、特に驚いたのはその漁獲方法です。

なんと「天かすすくい」を使うらしい!

さらに、記事によると、
「持ち手が短いから、長い棒にくくりつけて海に差し込んですくいとります。ただ、小さくて見つけ出すのも大変で、じっと目を凝らして探さないと見つからない。日中でも氷点下10度の寒さのなか、服を着込んで鼻水を垂らしながらやるから、簡単に『欲しい』と言われてもなかなか獲れないんですよ。」
と結構な過酷さ。

お店で買えることはとてもありがたいことですし、大切に飼わないとですね。来シーズンも都会のど真ん中でクリオネちゃんに出会えるのが楽しみです。

クリオネの泳ぐ姿(画像はイメージです。)

【筆者プロフィール】
さかなのNEWS編集長・ながさき一生
漁師の家庭で18年間家業を手伝い、東京海洋大学を卒業。現在、同大学非常勤講師。元築地市場卸。食べる魚の専門家として全国を飛び回り、魚好きのゆるいコミュニティ「さかなの会」を主宰。

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